Benighted / Carnivore Sublime (2014)
フランスのブルータルデス/グラインドコアバンドによる7thフルレングスアルバム。
Season of Mistよりリリースされた。
本作では今までのベーシストがバッキングボーカルにも勤しんでいる、
所謂デスグラインド方面に突き進んで久しい彼らだが、
本作も前作に割と近しい音楽性で鳴らしている。
また今回では、そのデスグラインドの音楽性に加え、Cattle DecapitationやDillinger Escape Plan、その他にAtheistやCryptopsyのような、
有名バンドたちの音楽的素養の数々が至る所に感じられ、
全体を通して感覚では、それらのバンドアンサンブルの「グルーヴ」の部分が濃厚に抽出された上で、
とても良い感じにクロスオーヴァーされた、オルタナティブデスグラインドとでも言うような趣きがある。
本作では、前作で感じられたNile的な暴虐性は希薄で、先で述べたようなバンド群のエクストリーム的な雰囲気や、ジャズ的な素養が香る、そして何より特筆すべき事としては、本作ギターソロと呼べる行為が無い。
ギターソロは無いが、ギターリフのメロディアス度は高めで、中々不穏かつ薄ら恐ろしいメロディを鳴らしている様に思う、
思うが、しかし、その良さに気づけるまでには、結構な時間がかかった。
かかったのだ、だが、気づいた頃には、既にこの作品へのスルメ脳が出来上がっており、
今では、この噴き出す奇怪さに、縛られ磔にされ虜にされてしまっている私である。
持ち前のブルータルなデス声や豚声は相変わらず気迫に満ち満ちており、バッキングボーカルとのコンビネーションも抜群、
本作ではそんなデス声達の掛け合いも特に面白い、
それをスピードの向こう側に行っちまうほどの焦燥感とえげつないグルーブパートとの応酬の中で万々繰り出しているのだから、
殊更にケイオティックな雰囲気を漂わせ、それに悶絶してしまう。
総じて前作に比べればいくらか地味だが、変わらず面白い音を鳴らしてくれているバンドであり、今では相当お気に入りな一枚である。
曲目は、
1. X2Y 01:29
2. Noise 03:08
3. Experience Your Flesh 03:05
4. Slaughter / Suicide 04:38
5. Spit 03:25
6. Defiled Purity 04:50
7. Jekyll 02:06
8. Collection of Dead Portraits 03:14
9. Carnivore Sublime 04:25
10. Les morsures du Cerbère 03:53
11. June and the Laconic Solstice 03:27
Total 37:40
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