NothingButTheWhole
Emptiness / Nothing but the Whole (2014)

ベルギー産ブラック/デスメタルバンドによる、4thフルレングスアルバム。
Horrendousの在籍するDark Descent Recordsよりリリースされた。

先ず、雰囲気としては、TriptykonやCeltic Frostに近い音質である、
それにBelus時のBurzumを掛け合わせたような音質でもある。
そういった意味では、彼らはゴシック・デス・ドゥーム・ブラックのアイデンティティを持っているように思う。

だが、本作で聴ける音楽と言いたいのは、そういう事ではない。そういう音楽では無い。
言うなれば本作は、プレステ初期作品の怖いバグを原点にして、それを煮詰めたような、そんなお寒い音楽であるのだ。
それは先で述べたような、ゴシック・デス・ドゥーム・ブラックのアイデンティティとも言える、プリミティブな暗黒性に、ダークアンビエントやノイズ、一昔前のニューウェイブやトリップポップの素養をも内包し、
音楽として非常に面白く出来上がっているからである。

同じパートを延々と繰り返す所が在ったり、
歪みが突然終わるヒステリックな感性が在ったり、
ノイズに塗れる部分が在ったり、
リズムを排しただゆっくりと聴かせる所が在ったり、、

そういった部分を一つ一つ見やると、一昔前に実験性に富んだ音像で知られていたような、PortisheadやMassive Attack等からの流れを汲んでいる様に感じられてくる。

ただ決定的に、それ等とは何が違うのかと言えば、それはやはり凄惨とした重い歪みがあり、
そしてテクニカルデスメタルバンドGiganのような深く、もあもあとした音で、部屋の室温を奪い去っていくと言う部分になるのだろう。また、恐怖はソコに在るのだ。

実験性に富んだ楽曲群、またその曲展開とそこからの構築美による、この完成度の高さ。
それはダンサブルな息遣いや、非常に原初的な暗黒性、都会的な感性等と相まうことにより、
2014年の歪となり、恐怖として確かにソコに存在するのだ。

基本スローなミドルテンポ主体である為、脳筋メタルメィニアには不向きだが、
陰鬱で先進的な音楽を愛好する者には、是非とも聴いて知って頂きたい、
こんな名盤に思い耽れる事を、私はただ嬉しく思う。

曲目は、

1. Go and Hope  03:20
2. Nothing but the Whole  05:30
3. Behind the Curtain  06:08
4. All Is Known  08:51
5. Tale of a Burning Man  03:01
6. The Past Is Death  05:14 
7. Lowland  06:59

Total 39:03