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Ophis / Abhorrence In Opulence (2014)

ドイツ産デスドゥームOphisによる、3rdフルレングスアルバム。
Solitude Productionsから移籍し、Cyclone Empireよりリリースされた。
彼らの音楽性は、
My Dying BrideやMourning Belovethに近いスタイルのデスドゥームである、
しかしこのバンドに粘っこいクリーンボイスは無く、
フューネラルドゥーム勢とも共振するかの如き、
低い音での寂寥の呻きや叫びを響かせるボーカルでの、デスドゥームだ。

所感では、♯1が少し地味なので初聴時は心配になるが、
♯2からは意志やメリハリの付いた構築力で、精神の深淵へ誘うような音を鳴らしてくれている、
また、♯4からは徐々に動的なMy Dying Brideのような音像へ向かって走り出して行く。

楽曲は、静の部分と動の部分、そのコントラストが非常に深く昏く明瞭に描かれており、全曲に挿入されている暗澹かつ耽美この上ないアルペジオや、作中の随所に漂うSwallow The SunやGhost Brigade等から流れ出しているデスドゥームのメロディアス方面を彷彿とさせる音の運びや、先で述べた暗鬱なボーカルワーク等から、結構なクオリティが在ると言える。
またそれは、最初から終わりにかけて立ち上がっていくような構成となっていて、
終盤のアグレッションにはブラストビートもあり、その急加速する様には、正に眉唾物といった趣きで驚嘆を禁じ得ない。

全体を通しては、流石に陰の部分が濃ゆいものの、好き者にはそれ位で丁度良いのだ。

結局のところデスドゥーム好き以外に進めるのは気が引ける音ではあるが、
デスドゥーム好きには間違いなく訴求するであろう高品質な内容に思う。

結果My Dying Bride、Ahab、Esoteric等が好きな方なら多分に楽しめるだろう。特に後半が良い。

以下は曲目、この尺で聴かせるデスドゥームと言えば簡単に察しがつく位の、解りやすさがあるのでは。

1. Disquisition of the Burning  14:54   
2. Among the Falling Stones  12:53   
3. A Waltz Perverse  09:16   
4. Somnolent Despondency  11:52   
5. Resurrectum  11:49   

Total 01:00:44