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Kypck / Имена на стене (2014)

フィンランド産ドゥームメタルバンドによる、3rdフルレングスアルバム。
同じくフィンランドのRanka Kustannusよりリリースされた。

メロパワバンドDreamtaleのボーカルであるE. Seppänen(Erkki Seppänen)氏と、今は亡きSentencedのギタリストだったS. Lopakka氏が参加していることで知られるこのバンド。
本作からSentencedのベーシストだったS. Kukkohovi氏がギタリストとして参加している。

音楽性は、ドゥームメタル的なダウナー感とゴシックメタル的なメランコリーさを持ち合わせた、戦争志向のドゥームメタルで、2000年以降のBethlehemみたいなダークメタルにも少し近しく、隙間産業ぐらいの微妙なゴシック感と今作では最早希薄になってきたドゥーム感の鬩ぎ合いが、緊迫したムードと世に遍く類廃した名詞達のヴァニタス画的な哀感を醸し出している。
そしてロシア語で歌うボーカルが戦争のリアリズムを暗く描き出し、それを覆うかの如きミドルテンポ中心での重いリフを引き回すギターワークとグルーブの応酬で追いかけるグルーブ過多なリズムセクションでのバッキングが合いまう事により、先で醸し出されたバンドの程よく病んだ類廃観がぐらりと活きてくる。

本作での全体の雰囲気としては、Ozzy OsbourneのScreamに近いものが在る様に思う。
それは単純に本作とそれの♯1同士が似ているのと、全体のミドルテンポ中心でのグルーブ重視のバッキングと、ボーカルに凄い存在感があるという意味で、Ozzy OsbourneのScreamが出てきた訳で、決して駄作と言う意味では無い。
ただ此処で新たな誤解を招いてくるので敢えて言うが、私はOzzy OsbourneのScreamも別に駄作とは思ってない。
ミドルテンポ中心でもだれることはなく、曲構成に起伏を持たせるリズムチェンジや、遅いDjent的なインストパートでの変拍子を交えたトランス感覚等、作中の随所にだれさせない工夫が成されている点には好意的な心象を持った。

暗いと言えばメランコリーだし、重いかと言われればメランコリーなのでゴシック感に囚われがちになるが、
全体ではやはりバンド名にも関わってきている第二次世界大戦の思想が強い。だがその思想が描く類廃観もヴァニタス的な哀感なので、総じてメランコリーで実にしおらしい。
メランコリックなゴシックメタル好きデスドゥーム好きには勿論なこと、ロシア語で巻き舌で歌っているので初期の椎名林檎みたいな音楽が好きな方にも訴求しうるのではないだろうか(かなり適当)。

思想重視のフィンランド産バンドと言うことで、このまま順調にいけばAmorphisくらいのバンドに成ってくるんじゃないかと言う期待もある今後も追いかけたいバンドだ。
総じて楽曲のクオリティは高いものの、「平均して高い」に留まってしまっており、それ故に突き抜ける感じが無いのが少し残念だが、本作は中々楽しめる一枚に仕上がっている。

以下は曲目、ナンツッテッカワッカンネーヨー。

1. Пророк  06:16 
2. Имя на стене  04:53
3. Воскресение  04:41
4. Дети Биркенау  07:25
5. Грязный герой  03:58
6. Как философия губит самоотверженных, бескорыстных бюрократов  04:30
7. Белорусский снег  04:53
8. Всегда так было  03:42
9. Этой песни нет  05:06
10. Трос, грузовик и тёмный балкон  07:47

Total  53:11