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Mourning Mist / Mourning Mist (2015)

イタリア産アヴァンギャルド/ドゥームメタルバンドによるデビュー作。
USのブラックメタルレーベルで知られるForever Plagued Recordsよりリリースされた。

ヴァイオリニストを擁する4人組で、イタリア中部に位置するウンブリア州のペルージャを拠点に置く。

音楽性は、ヴァイオリンの音色と地下ドゥームのアンサンブルが相まって、どこかイタリアンプログレにも通ずる不安定さを醸し出している訳だが、
アヴァンギャルドなブラックメタル色もあり、イタリアのゴシック建築から彷彿させるようなデカダンさもある。
簡単に言えば変わった音楽をやっている訳で、どうにもこの濃厚な独自性の説明に悩み苛まれるものだ。

ポーズとしては、多くのアヴァンギャルドブラックメタルバンドが持つフォーマルさ、若しくはホワイトカラー性みたいなものであり、
詰まる所では、それの地下ドゥームヴァージョンと言える音像で、そこはかとない知性とアンダーグラウンドの匂いが漂う外観を形成する。
アヴァンギャルドブラックのVoicesとトラディショナルドゥームのSaint Vitusの雰囲気同士が裸で重なり合ったみたいな音楽であると言えるかも知れない。

特筆すべきは、最近では珍しくもなくなってきたヴァイオリンであり、効果的なメロディを奏でるだけではなくリフも弾いている。
それは美麗というよりかはアヴァンギャルドでヒステリック気味な音であり、この音楽性の主柱に成っていると言えるだろう。
またアルバムを締める♯6では、今までとは違う美麗な音色を鳴り響かせる非常に幽玄なインストナンバーを展開しており、今までのヒステリックな音色との対比で、この音色がより一層美しく感じられると言うギミックが此処に来て施される。

ただ最後に残るは、朝霧の漂う通勤路から醸し出される、視界の全てがうとうととして、自分が微睡んでいるのか世界が酩酊しているのかの判別も付かないぼやぼやとした情感。
そして、そのまま終わってしまうという、幽玄な締めでありながらも、若干の消化不良感があると言うことで、全体として些かアグレッション不足を感じざるを得ないのは否めないだろう。
37分全6曲と言う、そんな短いタイムランと雰囲気重視故のメリハリ不足も、この消化不良感とアグレッション不足への一因として大きくでてきており、また、地下ドゥームとイタリアのドゥオーモの中でこじんまりとしてしまっているのが、惜しい。

しかしながら希少性と言うのは音楽に限らず評価されるものであり、これにかんしても今までになかったドゥームメタルの新しい形の一つとして評価されるべきであろうと思う。
少なくともシンフォニックドゥームなる新音楽で一昨年出てきたAvatariumぐらいには知ってもらいたいバンドだ。

結果この様に、色々な思いを張り巡らせられる程に素敵なアルバムではある。
ちょいと変わったバンドが出てきました。

曲目は、

1. The Flowing  07:32   
2. Freefall  05:46   
3. Rage  07:07   
4. Torment  04:45  
5. Rise and Decay  08:50   
6. Lament  03:58   

Total  37:58

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