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風が強い。
幽かに揺れるは頬を伝い身を覆う。
密やかな声、じっとりと濡れるの。

骨が震える。
鐘が微睡む、
線香の煙、鼻につく。
林檎は皮肉めいていたので、仕舞う。

姪の赤い肌が、後の暑さを漂わせる。
憂鬱。

初夏のすえた臭い、
世俗にまみれるのが厭でも、
路ならば行かざる負えない場にも出くわす。

妖怪は踊る、
パグパイプの、鳴り止まない、
陽気な踊り。

蜘蛛も鳴いているようだ。

付き起ての倫理観が、無花果を誘う。
絵から這い出た、鬼の陰茎が、
無花果に向かい、黒い太陽を隠しながら、
揺れている。

鉈を掲げる。
陰には厳つい鷲が反っている。
飯は、床に伏す。

床をつつく鷲の嘴には、紐がぶら下がっていて、思慕、望郷、渇望のような屑が、ゆらゆらとだらしなく、垂れれども、垂れれども、ニヒルにはあたわず、汚物の体裁は崩れない。