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Mefitic / Woes of Mortal Devotion (2015)

イタリア産ブラック/デスメタルバンドの1st。
Nuclear War Now! Productionsよりリリースされた。

物凄い陰惨なアルバムである。
前に少し触れたでの、暗黒瘴気の微振動が鼓膜に触れることによって偶然鬱屈とした音楽に聴こえる現象とは、方向性の違う、
先ずファストで、そして物凄く暴虐性の高い音楽である。

バンドの音を形容すれば、スラッシー或は刃物類での比喩が用いられる物理的なギターリフを主軸にしているものの、
その胸の裡には呪術系のスケール感も纏っていて、他にも時折ミドルテンポを交えて叩き込まれるブラストビートが主なドラミングや、
程良く低音を効かせるベース、司祭風の黒装束の男による呻くようなグロウルでのボーカルワーク等とも融合することにより、
総じて暗黒思想の濃厚かつ極めて殺傷能力の高い音像であることが窺える。

其れから成るサウンドスケープとしては、Teitanbloodみたいなものがたむろする闇の洞窟に、
Incantation仕込みの地獄から漏れ出した瘴気がぷかぷかと舞っているような風景を想像すれば、表立った概観が補完できる筈だ。
つまり纏めれば呪術的な研磨性と、ヅブヅブとに沈み行く汚泥っぷりが同居した、健全な思想、健全な精神への拷問なのだと言うことに成る。

この精神の暗黒面への高い説得力は、アルバムに一貫している原初的かつ惨憺な趣きによるものが大きく、
一切おべんちゃらの無いところが可笑しく感ぜられてくる程に、圧倒されてしまう。
死や暗黒にカタルシスを求める者を、否応なしに瞥見させる説得力に満ち溢れた、
死ぬ気で殺りに来るような圧倒的殺気に塗れ得る空気感を放っている。

また、そのCultes Des Ghoulesの2ndと、Impetuous Ritualの中間ぐらいに逝くような瘴気を放ちながらにして、
オカルト思想ではなく、あくまでも上述したバンドの音で勝負しているところが、硬派なのである。

何処か汚辱が縺れ込んで醜悪に成れ果てたの一点に纏まり切っている感があるのは留意したい所だが、
良い感じに間口は狭くなっておらず、♯1後半のグラインドコア然とした小気味の良さや、♯2のスピードの向こう側へ行く始まり方や、♯5での女声のスポークンワードが挿入される様や、♯8中盤の反復する展開等、
音像が一辺倒にならないように工夫が施されている為か、意外と聴きやすい。(私がこの手の音楽に毒されているのもあるかもしれないけどね)

そして、死や暗黒にカタルシスを求める者を、否応なしに瞥見させる説得力に満ち溢れているのは先でも言った通り、
結果、この様な猛悪さを愛せることに、至上の喜びを見出せられるブラッケンデスメタラーの懐に、殺意と言う名の謝意を込めて制作されたであろう本作を手に取って、
「やっぱり良いな」等と先人とジャンルの良さを再認識できるコマーシャリティに片足を突っ込み、選民意識を煽る暗さに貴方も嵌まろうぜと言うことで、そういうこと言うと反感を買うかもしれないが、取り敢えず良かったので紹介させていただいた次第。

曲目は、

1. Grievous Subsidence  06:46   
2. Obloquī  03:01 
3. Noxious Epiclesis  05:10  
4. Eroding the Oblates of the Lord  06:14
5. Mendacious Psalmodĭa  01:59
6. The Tomb of Amaleq  06:04   
7. Pain  05:20   
8. The Swirling Columns of Staleness  06:24   

Total  40:58  

♯3はyoutubeにリンクしてあります。