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Galvano / Trail of the Serpent (2015)

スウェーデン産プログレッシブスラッジメタルバンドによる2nd。
Candlelight Recordsよりリリースされた。

Mattias Nööjd - Guitar/Vocals,
Markus Bolechowski Franklin - Drumsの二人組。
二人が対位法的に並ぶ様は、殊にライブ映えしそうだ。

そしてこの音源からも、2人のコンビネーションが活き活きと伝わる、
ギターワークは、High On Fireをずっと内省的にした風で、スラッシーな刻みと泥臭さの同居した動と、ジャケットもそうだが何処か東洋やヒンドゥー哲学的なマイナー調での静の反復を主軸に畳みかける、
ドラミングは、タム使いに長けたマッドスタイルで、全体として手数も多く、これもHigh On Fireを内省的にしたような。

総じて、吼えるボーカルと泥臭く刻むギターワークが、体位的に存在する手数の多いドラミングと相まって、
グランジ一傘下の音使いとも、日の目を浴びない地下で発酵している衆から薫陶を受けたスタイルとも受け取れる訳で、
概ね内省的と書いた通り、土煙を巻き上げるストロングスタイルではなく、アート性に重きを置き、地下にて斜に構えた聴衆を揺らす音像となっている。

また、音の一つ一つを楽しみながら空間に落とし込み、躍動する様に、プログレ的解釈の余地が滲み出てきているようで、
ユーロプログレ系列の(PFM,Banco等)ぴょんぴょんとした展開が、スラッジメタルのスコープに通してアグレッシブに映し出されている。

ただそのワードに期待してしまうところの、ユーロ圏の壮大さは希薄で、主にはスラッジ由来のリフレインの反復によって成される画一的展開になるのだが、
あまり音響系のアプローチを執りすぎないとも取れる見方は、ポストや雰囲気もので蔓延した昨今のメタル界隈では、逆説的にこのユニットへ個性とインテリジェンスの陰影を落とし込んでいるとも言える。
先でのプログレからの影響や、♯3♯4での展開力なんかは、インテレクチュアルスラッジと言いたくなるぐらいに緻密にして複雑な恰好を呈するため、往々にしてそういった音と展開の妙を楽しむ代物として考えて戴ければ幸い。

なお、この文中に於いての、インテリジェンスと言うのは、そういった単純な音よりもオタク音楽オタクの精神性によるものが大きいと言うのは留意したい。
その精神性が孕むところでは、偏に個人の美徳以外の何物でもないのだが、
聴いていて心憎くなるぐらいのものは、何度聴いても僥倖に出会った時の如く、頬に嬉しさが込み上げるものだ。

これは間違いなく心憎くなる音楽オタクだが、決して何かのパラフレーズで終わっている訳ではなく、
あくまでもHigh On Fire系列のスラッジメタルに、ユーロプログレの素養を落とし込んだ、独自の代物に仕上げてきている。

結果、プログレッシブスラッジメタルのプログレ足らしめる要因こそ、急転と緻密さを以ってして反復し訴えかける独特の性質であり、
そしてそれがコンビネーションを発揮させ、ユニットのアイデンティティを狂おしく燻ることで、時流のスラッジメタル界隈に於いての彼らに対して必然性が湧き出てくる。

その概観の裡で、地下ユニット系ミュージシャンの形而上学として、二人のコンビネーションにしか成し得ない所での到達点の一つを知らせしめる為の本作には、
それを信じさせる充実が内包されているのだ・・・・!

曲目は、

1. The Gathering  10:13   
2. Following the Trail  10:01   
3. Stench of Prey  09:51   
4. Driven Snow  11:35   

Total  41:40  

#3はyoutubeにリンクしてあります。