00jig-ai
Momentum / The Freak is Alive (2015)

アイスランド産プログレッシブメタルバンドによる2nd。
Dark Essence Recordsからリリースされた。

Psychedelic-Progressive-Doomなる音楽性を標榜するバンドであるが、
メンバーにブラックメタルやデスメタルを嗜好する人物が要る為、
またDark Essence所属であることから、
音もそこはかとなく昏い。

もっと言えばex-Severed CrotchのIngvar氏によるGuitars, Vocals、
Potentiam/KontinuumのKristján Gudmundsson氏によるDrums、
Hörður Ólafsson氏によるBass, Vocalsといった3人編成でのバンドとなっているのだが、
本作では、Guitars, VocalsでSigurour氏が、
piano, Synth, VocalsでRagnar氏が、
Violin, ViolaでKari氏が、
VocalsでIngolfur氏が、
Synth, Percussion, Vocals&Rocco controlでFlex氏が共に参加している。

この結構な大所帯と言うこともあり、音像の方でも一般的なバンド形態で実現するのは難しい事になっている。
結果的に表現力が高いというのは良いことなのだが、その分コマーシャリティからは遠ざかっていくリスクも同時に孕んでいる。
得てして芸術家気質の朴念仁染みたサウンドアプローチと言うのは、一般に受け入れられるのが難しい。

この界隈から一般的な音楽愛好家の耳に聴かせると言うのは、最早虚像の追及なのかもしれない。
ただ一つ言えるのは、少なくともこの音、仄暗い月明かりに照らされたバンドの軌跡が、ゆらゆらと当事者好事家の心情を擽っているのなら、そしてそれが彼等にとって心地良いものであるのなら、それでいいのかもしれない。

ベース、ドラム、ギターと言った一般的なバンド編成と、ピアノ、シンセ、ヴィオラ、シタール、ヴァイオリンそして多くのボーカルによって織り成される音像は、
冒頭で触れたPsychedelic-Progressive-Doom成るジャンルを標榜するバンドと言うのを頼りに解釈していくと、フィンランドのUmbra Nihil辺りに近づいてくるものだが、
ふわっとした類似性を感じる程度で、あちらの様な胡散臭さや酩酊感やサイケ色は希薄。
サイケプログレドゥームと言うよりかは、ドゥーミーな領域で独自路線に向かったポストプログレの世界観を呈している。

所感では、Umbra Nihil系列のドゥームメタルを主軸に、
Solstafirのエクスペリメンタル色や、Gojiraのインストパートなんかに見られる清らかさも、Rammsteinの様に耳に残る歌声も、ワールドミュージック系のアクセントも所々に落とし込まれており、
そこはかとなく昏い斉唱のポストプログレッシブドゥームとして、やはり面白く仕上がっていると思うのだが、芸術家気質や、アンチクライマックスな作風には好き嫌いが分かれそうな一枚だ。
私的には、多彩なコーラスワークや、音楽柄速く叩いてはいないが、変拍子やタメや推進力を随所に効かせるドラムを聴いてるだけでも楽しい心持ちになります。Potentiamのドラマーってこんな巧かったんだねえ。

曲目は、

1. Bury The Eyes Once Gold  06:53 
2. Between Two Worlds  05:59 
3. Familiar Unknown  02:17 
4. Gauntlet  06:12  
5. The Freak Is Alive  05:56  
6. A Beast Is Near  04:33   
7. Creator of Malignant Metaphors  04:35  
8. Undercover Imagination  06:28  
9. Depth of the Whole  06:01   

Total  48:54  

♯1はyoutubeにリンクしてあります。