ノルウェイ産ブラッケンドデスメタルバンドの2nd。
Nuclear War Now! Productionsよりリリースされた。
彼らは、Mortuary Drapeに代表されるような、オカルトの要素を持つブラックメタルをやっている。
本作、そこに土着的な感性、音質も相まって、音像における精神性にて寂寞の情を催す。
スラッシュ由来の煽情感に加え、メロウなギターソロや、タッピングを用いた先進的な展開もあるのだが、
その求められる精神的作用に反馳して、やはり寒々とした寂寞感に侵される。
これらは前作からの正統進化とも言えるソングライティングを以ってして、音の説得力を邁進しており、
踏襲の先に在る、感動をも生み出している。
Deathspell Omega/Kénôse以降のブラックメタルの持つ知的さと、
Mortuary Drape傘下のバンド群に見られるカルト臭に、
ノルウェイの寒々しく研磨性の高い畏怖の念をぶち込んだといえる本作は、
作中の随所に、露悪的な諸々がチラチラと虚ろげな趣きで表現されている。
この露悪に関しての落ち度は皆無で、やりたいことが確と伝わる。
ただ、何故そこを目指したのかはわからないものだが、
この時勢を気にせずひた走るアティチュードこそが、依然カルトブラックメタルとしての醍醐味なのだろう。
正解は解らないが、間違いも無い。
そもそも芸術には初めから答えなど無い、
その無いものに応えてしまうのが、聴衆の本能であり、
人間は概念的な面では、機械的に動く蟲と変わらないのだ。
本作には、正にそう言わさせるような、解りやすい暗黒思想がねじ込まれている。
曲目は、
1. Desolation 04:05
2. Noble Men 03:12
3. Humanity Diseased 06:18
4. Asylum 03:51
5. Days in Delirium 03:59
6. Shroud of Death 04:20
7. Death Is King 04:28
8. Coronation 04:33
Total 34:46 素敵。
♯7はyoutubeにリンクしてあります。
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