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Majestic Downfall / ...When Dead (2015)

メキシコ産デスドゥームユニットの4th。
シンガポールのPulverised Recordsからリリースされた。

Swallow the Sun系列のメロウなデスドゥームなにがしとして、好事家の間で知られている。

先ず本作の情報として、前作で三人組だったこのプロジェクトは、
Alfonso Sánchez氏  Drums 
Jacobo Córdova氏  Vocals, Guitar, Bass, Keyboards, Drums 
といった二人組のユニットに成っている。
ただ、前作でリードギターを勤めていたFernz氏については、今回もギターソロのみで一応参加している。
※同氏は、同郷のポストロックバンドDies Iraeのギタリスト。
その他にdahと言う謎の人物も、ギターソロで参加している模様。

また、Robert Høyem氏がアートワークを手掛けている。
EvokenのAtra Morsや The Fall of Every SeasonのAmends等を手掛けた人物であり、
往々にして音像への直接的な関連性には乏しいものの、
これは連想の妙や、ミスティックな雰囲気作りに一役買っている、大変良きアートワークに思う。
なお、今までの殴り書きバンドロゴも、同時に一新されている。
また、WatainやTribulationの過去作を手掛けたNecromorbus氏が、ミキシングとマスタリングを施している。
音質が向上したのは言わずもがな、今まで培ってきた重さ、メランコリックな空気感が洗練されているように感ぜられ、これによって、辺境マニア向けのB級デスドゥームからの脱却を思わせるような、ある種メジャーな風格が漂うことになったのではないだろうか。

次に、今回の音像としては、「アコースティックパートとメロウな歪みの対比」が印象的なSwallow the Sunの音像へ傾倒していた過去作と比べて、
Dan Swano氏関連のメロディセンスや、北欧慟哭叙情の哀感や、ブラックメタルのファストさ等が印象的な、新たなMajestic Downfallの音像となっており、
デスドゥームの核となる重さも、Novembers Doomの如く妖しさと哀愁のある重みに変化している。
総合的に見て、今までとは方向性の違う様式美を以てして展開されているわけだが、その中にもホープや独自性を感じさせる性質の代物となっている。

また作風は、前作のThe Slow Deathとのスプリット作からの流れなのかは謎だが、全5曲の内でイントロを除いた4曲が10分超え、尚且つ全てが連なる構成。
一息に大作だが、間延びした感じはなく、言うなれば緩急入り混じったイマジナリーな展開の詰め込み状態で、
そういった面では、それこそEdge Of Sanity/Crimsonみたいな間口の狭さ聴き難さもあるものだが、メロディや展開が良いだけに聴き応えの大きさとして捉えられる。

そんなわけで、この暗黒の大河を進んでいくような情景を持つ本作、トラディショナルな領域で革新性も忘れていないこともプラスに働き、ホープと重く儚く哀愁のある音が情感的に切迫する秀作に仕上がっていると、此処に纏めおきたい。
素敵な時間を過ごせるじょ~(ちびまるこ山田)。

曲目は、

1. ...When Dead  02:44
2. Escape My Thought  15:26 
3. The Brick, The Concrete 11:17
4. Doors  12:30 
5. The Rain of the Dead  11:26   

Total  53:23 

#3はyoutubeにリンクしてあります。