51M4byTQ+FL
My Sleeping Karma / Moksha (2015) 

ドイツ産ストーナー/ポスト/サイケデリックロックバンドの4th。
Napalm Recordsからリリースされた。

envyやMono系列の澄んだポストロックバンドである。
My Sleeping Karma というバンド名にもあるとおり、その音の中で涅槃的思想が色濃い。

概ね全編に渡りインストゥルメンタル作品であるが、
総ての曲間にサンドイッチ状態で配置されたInterlude~では、お説法のようなワードも流れている。

思想は色濃いが、音像に堅苦しさや、難解さや実験色は薄く、
久石譲作品の如くに、自然的な音色を際立たせた作品となっている。
また、悠久の時の流れや自然愛を感じさせるサウンドスケープは、スペインのToundraとも共振しているのではないだろうか。

本作のあり方としては、やはり非常に空気的であって、読書に最適なものになっている。
その音の広がりに重きを置いたソングライティングに、派手さはない。

ただ、ふと顔を上げ聞き入ってしまうようなところもある。
音の一つ一つが神秘的に響き渡たり、自己の内的な想像性を呼び覚ますかのごとく訴えかけてくるタイトルトラックの#7は、
久石譲氏的な鍵盤の旋律を主として、落ち着いたドラミングとサイケに澄んだギターワークが徐々にストーナー面に移行していく、
その展開美に、ただただ陶然と耳を傾け続けていた。

涅槃的ポストロック空間の中では、往年の名バンドを彷彿とさせるノスタルジーも込められているようで、
#9なんかはスペーシーなシンセの音色もある。
#10最後のInterludeはギターインスト曲となっており、
そこでは、完全にデヴィッド・ギルモア氏のインプロヴィゼーションが表現されている。

簡単に言えば、アナログ感の強い趣味嗜好をパーソナルな部分に置きながらも、
音楽に対してフレキシブルなサイケ/ポストロックバンドの表層が、此処に結実しているのだろう。
その結果として、澄んだポストエッセンスが、涅槃的思想の清廉さと共鳴していて、
胸の中の残響すら、敬拝させるのだ。

曲目は、

1. Prithvi  6:29
2. Interlude 1  2:37
3. Vayu  5:55
4. Interlude 2  1:45
5. Akasha  6:13
6. Interlude 3 1:48
7. Moksha  9:37
8. Interlude 4  2:17
9. Jalam  8:25
10. Interlude 5  2:22
11. Agni  6:31

total 53:59

#7はyoutubeにリンクしてあります。