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Bloodway / Mapping the Moment with the Logic of Dreams (2015)

ルーマニアはブカレストのプログレッシブブラックメタルバンドによる1stフルアルバム。
I, Voidhanger Recordsからリリースされた。

アトモスフェリックブラックのNegura Bunget一強とされてきたルーマニア、
そのようなMetal Of Countrysideにて、ジャケットアートを書き続け、巷に話題を呼んでいる一人の男。
この、BloodwayのGt/Voを努めるCostin Chioreanu氏が、それである。

同氏は、直近のリリースを省みてもDraconian/Grave/Arcturus/Sigh/At the Gates/Arch Enemy等のビッグネームから、
Dread Sovereign/John Gallow/Onirophagusといったアンダーグラウンドなドゥーム/デス界隈までのアートワークを幅広く手がけている方なのだが、
そんな近年のBest Of Metal Art Workerの総本山と言った処の本作、「Mapping the Moment with the Logic of Dreams」が、これまた好ましい作品に仕上がっている。
ここ数年、彼の手がけるジャケットのアルバムは海外等メディアからの評価も軒並み高い傾向があり、得てして本作も上記作品群と同様の需要を伴うアルバムと言えるのではないだろうか。

また、ごく私的な感慨を漏らすと、彼の手掛けたアルバムジャケットには、実際に収録されている楽曲と同様の色味を持ってして聴手の意識に訴えかけるものがある。
その聴手側から見て、共感覚的に構築されたジャケットのメタファーが、逆説的に曲へと封じ込められていているのであれば、
ボーダレス化の進む昨今のネット社会や様々なメタルコミュニティといったところで、良ジャケなる評価が垣間見えてくるようにもなるだろう。
そうして供給側や好事家から勘の良い若者まで徐々に話題になっていくのは、やはり自然な流れだと思う。

その音楽性としては、Costin Chioreanu氏が今まで手がけてきたバンド群を彷彿とまではいかないが、色んなバンドから刺激を得ているなと思わせる独自的なものであり、アルバム全体に充満されているゆったりとしたムードなんかは、伝統的なロックのフィーリングにも富んでいる。

このムードを作り出すPara氏のドラミングと、 要所に妖しいメロディーを入れるMihai Andrei氏のベースワークが、デスドゥームの憂いに、ロック色の漂う叙情性が相まって、ある一定のメロディーラインを紡ぎ出すCostin Chioreanu氏のギターワーク、また、同氏のブラックメタルと共振するものの、若干力不足感の否めないボーカルワークと相まって、夢野久作の探偵小説なんかを思わせる知的な怪しさ、ないしはUKプログレッシブブラックのVoicesをトラディショナルドゥームよりにした、若しくは、「そこ」から硬質なデスメタル要素を抜いたとも形容できる音楽性を醸し出している。

正直なところでは全体を通して、若干のぶつ切り感で終わるのが寂しいところだが、
本作に充満するこのトラディショナルドゥームやポストブラックやらデスドゥームの混濁とした、怪しさと、凛とした陽性や、凛とした哀感の伴うメロディセンスは、
音に対して共感覚的に様々なカラーを使い分ける、ある種職業病的で稀有なものであるように思うので、
やはり、そういったプログレッシブな音楽を求める方には是非とも知っていただきたい作品である。

曲目は、

1. Seeding Distance  01:49  
2. The Transfinite Castaway  07:05 
3. Walking Past Near the Lighthouse  06:55
4. Mirror twins 04:09
5. Early Glade Test Pilot  06:47 
6. A Hallow Bridge  05:57   instrumental 
7. Garden of Diurnal Fractals  05:33 
8. Mapping the Moment with the Logic of Dreams  04:51  

Total  43:06 

#4はyoutubeにリンクしてあります。

Costin Chioreanu