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The Body & Krieg [2015]

USはオレゴン州ポートランドの人間放棄スラッヂ/ドゥームドローンデュオThe Bodyと、
USはニュージャージー州サマーズ ポイントの暴殺ブラックメタルバンドKriegのコラボレーション作品。
The Bodyが在籍するスラッヂ/ドゥーム系レーベル、At a Loss Recordingsからリリースされた。

Eyehategod系統の音を嗜好するレーベルというだけで察せさせられるものだが、
陰鬱の充満した怪音が例のごとく現実の元に落とし込まれているし、今回はそれ以上の危うさがある。

近年BraveyoungやVampilliaやThouとのコラボレーションやら来日といった、多国籍的活動で激重界隈の話題を呼び、また本年中に自身の新作も控えているThe Bodyと、
USブラックメタル発展期に結成され、今まで様々なブラックメタルバンドとのスプリット音源、並びに7枚の陰性なフルアルバムを拡散しこの界隈を支え続けているKrieg。
音の暗黒界で外交的な活動のめざましい両者には、固定ファンも少なくはないように思うし、私もそのうちのひとりだ。
また、言わずもがな、音楽性としても現代的音楽思想のダークサイドに属する両者だが、
精査して見れば、これは内省的な暴虐性のあるBodyと対外的な暴虐性のあるKriegといったふうに、対照的でもある。

そんなところの本作「The Body & Krieg」では、音像の中で両名のある種の結託が見て取れる。
音量を最大限にひねった打ち込みのドラミングによる、割れたシンバルの音色や、曲によって深く響き渡ったり浅く耳を刺激するスネア並びにバスドラを基盤に、
不協和音を際立たせる旋律が、ミニマムに這いずり、そこにKrieg の不安感を煽るグルーヴが共鳴した様相。
この退廃的なドゥームドローン的アプローチのバッキング、概ねThe Bodyの音楽的素養を主として脳内を侵食して行くような、惨憺たる自己内的な情景の広がるバッキングがあり、
その上で、粘液のようにまとわりつく両名の歌唱が耳に残る。

所感では、厭世の名の元に叫び倒す両名の、その声と言うことさえ憚られる圧倒的悍ましさたるやといった感じで、
この世のものとは思えない音楽が、悪夢のように響き渡っている・・・・・・・・

総じて旧来からのThe Bodyのファンや近年のKriegが好きであればこれも当然知っておくべき活動の一端であり、
恐怖と欝屈が黒々とした一つのサイクルを吐き出し、
螺旋の軌道を描きどこまでも、どこまでも落ちていくように、互いに穢し合うのだろう。

安定したアンチワールドのなかで、やはり良いなと思わせる音楽的素養としての巧さは、
過去数十年の時代の瘴気を吸い込んできているだけ、凄い充実感だ。

曲目は、

1. Bottom of the Bottle, Bottom of the River  04:38  
2. Carved Out and Caved In  07:14  
3. Fracture  02:59  
4. Celebrate Your Shame  03:37
5. Never Worth Your Name  05:04 
6. Gallows  04:25  
7. A Failure Worth Killing Yourself  03:16  
8. The Final Nail  05:58   

Total  37:11